子供時代に出会い、私にとっての絶対的な教科書になった作品
あらすじ
ロイズの保険調査員(オプ)である平賀・キートン・太一は、元SAS(英国特殊空挺部隊)のサバイバル教官であり、また、オックスフォード大学を卒業した考古学者でもあるという複雑な出自を持つ日本人(父太平は動物学者)とイギリス人のハーフ。本人は内心、考古学の道を進みたく思っているが、過去の経歴の優秀さからいろいろな調査依頼が舞い込んでくる。冷戦前後の社会情勢、考古学、そしてキートンをめぐる人々のドラマが絡み合った秀作である。(Wikipediaより)
戦争、歴史、経済、考古学、犯罪、ヒューマンドラマ etc これほど多様なテーマを扱いながら、完成された構成力!
この作品は子供時代に父親が読んでいる雑誌に掲載されていたのを読んだのきっかけでした。
当時はまだよく分からなかった内容も、大人になるにつれて見識が出来ると深みが増します。何度も読み返しました。
基本一話読み切りで構成されているのですが、一話一話が非常に丁寧に描かれています。
歴史や時代背景といったリアルなバックボーンを元に書かれているものが多く、登場する各人物の発言やラストシーンに重みがあります。
戦争や歴史の重みを、その時代を生きた登場人物の”ヒューマンドラマ”として描いており、1話読み終わった時に感情移入を通じた余韻がしっかりと残ります。
当時の人々の境遇を感じながら、何度も涙する話もありました。
だから、この作品を読んでいると、そこに登場する戦争や歴史背景がどういったものなのか、自然と興味が沸いてくる。
人々に影響を与えたこの戦争や政治情勢はいかにして起きてしまったのか?と、MASTERキートンに登場する人物の感情を通して興味を持たざるを得ないのです。
主人公のキートンも魅力的です。
一度はイギリス最強の軍隊SASに所属していたほどの経歴を持ちつつ、考古学と博学という高い教養と洞察力を備えています。
でも、腰は低いし、とても優しいんですよね。
まさしく多くの大人が目指したいと考える大人像がそこにはあると思います。
この話にはまた、主人公キートンを通して人は一生学び続けるべきだという哲学があります。
学ぶことを
頭でっかちな理屈ではなく、感情を通して伝えてくる作品
だから、多くの大人がこの作品に共感し、評価し、陶酔するのだと思います。
これから多くを学んでいく子供に、どんな参考書よりもまず先に読ませるべき一作です。
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