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道徳とは何なのか?定説を見つめ直すことを余儀なくされる!寄生獣
あらすじ
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。それは、人間に寄生して脳をのっとり、別の生き物となって日常生活に紛れ込む。
肉体ののっとられた部分は「考える筋肉」とでも言うべき特性を帯びていた。高い知性を持ち、刃物や紐などの形に自由に変形し、寄生した個体と同族を捕食の対象とする。捕食の際には寄生体全体が口となる。
そのエサは人間…間一髪で脳ののっとりを免れ、しかし右腕に寄生された主人公の高校生・泉新一。その「右腕」・ミギーとともに始める寄生生物=パラサイトとの戦いを描く。
この作品のレビュー
まさに不朽の名作とは、こういった作品のことだと思います!
読み終わってなお、しっかりとした余韻と作者のメッセージが強く残ります。
1990年代に出版された漫画にもかかわらず、本作ファンが後を絶たないのは、映画化やアニメ化されたことだけでなく、本作の作品としての強烈なメッセージ性と完成されたストーリー構成があるからでしょう。
寄生生物と主人公の奇妙な関係を交えながら、主人公の肉体的・精神的成長を描かれていきます。
この得たいの知れない寄生生物に対し、物語終盤では強く愛着が湧いてきます。
また、全話読み終わった時に、終わるべくして終わらせたという完成度の高さを誰もが感じることでしょう。
グロテスクな描写が序盤から登場しますが、ただのホラー漫画ではありません。
全巻読破すると伝わってきますが、本質的なメッセージは、『他生物から客観的に人を見つめ直し、人類をどう捉えるか』という部分にあります。
人類にとって害悪なもの・危険なものを排除すること。
同族や愛するものを庇い、守ろうとする行為。
これらは道徳として正しい・美しいという定説を根本から覆す作品です。
この作品を読むと、地球において頂点に君臨する人類が、他生物からするといかにエゴイズムに満ちているかということを感じざるを得ません。
しかし、またそのエゴイズムに従って行動せざるを得ない、人の弱さについても本作では描写しています。
この作品の心理描写は何故こんなにも伝わってくるのか!?
それは人類が共通して持つ根源的なものがあるからだと、感じざるを得ません。
ファンタジー作品だからこそ強烈に描ける哲学やメッセージががあると思いますが、 まさにそういった作品です。
まだ読んでない人には是非読んでもらいたいです!
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この作品をおススメしたい方
- 哲学系作品が好きな方
- 泣ける作品が読みたい人
- 社会問題(環境問題)をテーマにした作品が好きな人
- 絶望系ストーリーが好きな人