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発行部数1000万部を超える人気作品『ブラックジャックによろしく』
あらすじ
研修医・斉藤英二郎は医師免許を取得して一流の永禄大学付属病院へと配属される。
斉藤の月収はわずか3万8000円!
斉藤は日本の医療の現状を知っていき、自らの理想との違いに愕然とし、葛藤する。
内科編、ベビーER編、ガン編、精神科編と編ごとに斉藤の視点から日本医療の問題点を書きだしていく・・
どこでも無料で読める「ブラックジャックによろしく」
どの電子コミックサイトにいっても全巻無料として見かける『ブラックジャックによろしく』。
無料漫画というのは、多くは人気が出なくなった作品だったり、1巻だけ無料にしておいて、2巻以降は有料というケースがほとんどです。
『ブラックジャックによろしく』はドラマ化され、発行部数は1000万を超える人気作です。
それが全巻(『新ブラックジャックよろしく』は除く)無料で配信され続けているというのはどこか引っかかっている人も多いと思います。
作者が『ブラックジャックによろしく』の著作権を放棄!
『ブラックジャックによろしく』の作者、佐藤氏は2012年9月に著作権の二次使用を完全フリー化して公開しました。
それで、どの電子書籍も無料で全巻読めるわけですね。
無料とはいえ、有料時は1000万部も売り上げたヒット作です。
どの電子書籍も販促のために、必ず「ブラックジャックによろしく」全巻無料のアピールをしています。
何故、「ブラックジャックによろしく」の著作権フリー化したのか?
ところで何故、佐藤氏は著作権をフリー化させたのでしょう?
佐藤氏は、漫画家が自主的に発表できる場としてオンラインコミック配信サイト「漫画 on Web」を開設しています。
そこで「ブラックジャックによろしく」を無料公開しました。
目的は集客です。
有料の出版物を無料公開にした理由は、同作品は2006年から増刷がかかっておらず、増刷してもらえないのならこのまま(出版社に)眠らせていても意味がないから、ということです。
この無料公開の結果、有料の「続・ブラックジャックによろしく」が売れ始めました。
そして、もっと著作を広く使ってもらうために、著作権をフリー化し、二次使用を自由にできるようにしたということです。
漫画家としての出版界に対する独立戦争
ただし、そこに行き着くには出版社との対立や利害関係を中心とした、漫画家としての只ならぬ葛藤があったようです。
「ブラックジャックによろしく」が売れていた時代の人気漫画作家としても、その当時の労働環境や処遇は過酷なものがあったようです。
人気俳優やアーティストが華やかな舞台の裏側で、想像もしない生活を強いられていたという報道を時々見かけますが、それに似た世界観を感じました。
その当時の様子を、佐藤氏は以下の作品で綴っています。
こういう業界慣習及びその環境下で、人気作品の著作権フリー化という決断に踏み切ったのは、佐藤氏の漫画家としての出版界に対する独立戦争でもあったのだと感じました。
「ブラックジャックによろしく」は現代の医療問題に一石を投じた強烈な漫画でしたが、作者自身に対してもまた、非凡性を感じます。
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